3日目: エンジニアへの興味が芽生える

田中一郎は、昨日の鈴木英二との出会いにまだ興奮を覚えていた。
カフェでの会話は、一郎にとってまるで運命的な瞬間だった。
彼は鈴木からエンジニアの魅力について語られ、ますますエンジニアという職業に興味を持つようになった。

翌朝、一郎はいつもより早く目が覚めた。
朝の空気は清々しく、心の中にも新たな決意が芽生えていた。
一郎は、まずは鈴木から教わった基本的な学習方法を試してみることにした。
鈴木は「まずは小さな成功体験を積むことが大切だ」と言っていた。

出勤前の時間を使って、一郎はパソコンを開き、初めてのプログラミングの世界に足を踏み入れることにした。
鈴木から紹介されたオンライン学習サイトにアクセスし、HTMLとCSSの基本的なチュートリアルを始めた。
最初はタグの意味や使い方が全く分からず、戸惑うばかりだったが、徐々に画面上に文字や色が反映されることに喜びを感じた。

仕事中も、一郎の頭の中には学習した内容が何度もリフレインしていた。
営業の仕事をこなしながらも、「あのコードで本当に合っているのか？」と考えてしまう。
集中が途切れるたびに、鈴木からのアドバイスが頭をよぎり、彼の言葉が一郎を前に進めてくれるように感じた。

昼休み、いつものように山田太郎が話しかけてきた。
「お前、なんかいつもと違う感じだな。何か始めたのか？」と尋ねられ、
一郎は昨日の出会いと、今朝から始めたプログラミングのことを話した。

「へえ、すごいじゃん！でも、エンジニアって大変そうだな。」と山田は感心しながらも、少し心配そうに言った。
「まあ、確かに簡単じゃないと思うけど、なんだか今はすごくワクワクしてるんだよ。新しいことに挑戦するのが楽しくてさ。」

その言葉を聞いた山田は、驚いた顔で一郎を見つめた。「お前がそんなに楽しそうに話すの、久しぶりに見たな。応援してるぞ。」

午後の仕事も順調に終わり、帰宅後の一郎はすぐにパソコンの前に座った。
今日はCSSを使って、ウェブページに色やレイアウトを加える作業に挑戦した。
試行錯誤しながらも、画面上に自分のイメージした通りのデザインが反映されていく過程に、次第にプログラミングの楽しさを感じ始めた。

鈴木の言葉通り、少しずつでも成功体験を積み重ねることで、一郎は自信を持ち始めていた。
「これなら、続けられるかもしれない。」そう思いながら、一郎は次の学習課題に目を向けた。

一郎は、エンジニアになるという目標に向かって、確実に一歩ずつ進み始めた。まだ道のりは長いが、その挑戦に対する情熱は日に日に増していくばかりだった。

次回予告

次回、田中一郎は初めてのプロジェクトに挑戦します。小さなウェブページの作成を通じて、一郎はさらなる学びと成長を経験することになるでしょう。次回もお楽しみに！