田中一郎は、鈴木英二のアドバイスを胸に、転職活動に向けた履歴書とポートフォリオの作成に本格的に取りかかった。
これまでの80日間で学んだことを、どのように形にして表現するかが、一郎にとっての大きな課題だった。
まず一郎は、エンジニアとしての履歴書を整理することから始めた。
これまでの学習内容やプロジェクト経験を時系列でまとめ、具体的な成果を記載することに努めた。
例えば、初めて作成したウェブページや、Node.jsを使って開発した小さなアプリケーションなど、
一つ一つの経験が一郎のスキルを証明する要素となった。
一郎は、技術的なスキルだけでなく、プロジェクトを通じて得たコミュニケーション能力や問題解決力も強調した。
営業職で培った対人スキルが、エンジニアとしてのキャリアにも活かせることをアピールするためだ。
次に、一郎はポートフォリオの作成に取りかかった。
これまでに開発したプロジェクトのコードや動作サンプルをまとめ、視覚的に見やすい形で整理した。彼は、使いやすさやデザインにもこだわり、面接官に良い印象を与えることを目指した。
ポートフォリオには、GitHubへのリンクやデプロイしたアプリケーションのURLを掲載し、実際に動作を確認できるようにした。
これにより、一郎の技術力をより実践的に示すことができるようになった。
妻の美咲は、一郎の取り組みをそばで見守りながら、「ここまで頑張ってきたことを、しっかり伝えられるようにしようね」と励ましの言葉をかけてくれた。
美咲の言葉に、一郎は再び勇気をもらい、自信を持って書類を仕上げることができた。
その夜、一郎は自分が作り上げた履歴書とポートフォリオを見つめ、これまでの努力が結実した瞬間を感じた。
鈴木や家族、仲間たちのサポートがあったからこそ、ここまで来ることができたのだと改めて感謝の気持ちが湧き上がった。
これで準備は整った。一郎は、いよいよ転職活動の次のステップに進むことを決意した。
次回予告
次回、田中一郎は初めてのエンジニア面接に挑戦します。自分の成長を証明するための大事なステージで、彼はどのように立ち向かうのか。乞うご期待！
コメント