6日目: 家族に挑戦を打ち明ける

田中一郎は、ここ数日の間にエンジニアとしての基礎を着実に学び始め、少しずつ自信をつけていた。しかし、一郎にはまだ家族にこの挑戦について話していなかった。
「本当にエンジニアを目指すと決めたからには、しっかりと家族にも話さなければ…」と考えた一郎は、ついにその決意を固めた。

その夜、一郎は家族団らんの時間を過ごしていた。
妻の美咲は夕食の片付けを終え、娘の愛はテレビに夢中になっている。今が話すべきタイミングだと思った一郎は、意を決して口を開いた。

「美咲、ちょっと話があるんだ。」と、一郎は真剣な表情で切り出した。
美咲は驚いたように一郎を見つめ、「どうしたの？何かあったの？」と心配そうに尋ねた。

「実は…最近、エンジニアになりたいと思い始めて、それで勉強を始めてるんだ。」
一郎はここ数日の出来事や鈴木英二との出会い、そしてプログラミングの楽しさについて語り始めた。

美咲はしばらく黙って話を聞いていたが、やがてゆっくりとうなずいた。
「あなたが本気でそう思っているなら、私は応援するわ。
でも、エンジニアになる道は簡単じゃないし、今までの仕事とは全然違うから、しっかり考えてから決めたほうがいいと思うわ。」

一郎は美咲の言葉に感謝しつつ、さらに続けた。
「そうだね。でも、僕は今まで仕事に対して何か物足りなさを感じていて、今回の挑戦が自分を変えるチャンスだと思ってるんだ。もちろん、家族のことは最優先に考えてるけど、やっぱり挑戦したいんだ。」

美咲は少し考え込んだ後、笑顔でこう言った。
「じゃあ、一緒に頑張ろう。あなたが頑張るなら、私もできる限りサポートするわ。」
その言葉に、一郎は心から安心し、感謝の気持ちが込み上げてきた。

その後、一郎は娘の愛にも「お父さんは新しいお仕事を勉強してるんだよ」と優しく話しかけた。
愛はまだ小さいため、理解できていないかもしれないが、「お父さん、がんばってね！」と無邪気に応援してくれた。
その言葉に一郎は微笑み、「ありがとう、愛。お父さん、がんばるよ。」と決意を新たにした。

家族の理解とサポートを得た一郎は、これからの挑戦に対して一層のやる気を感じていた。
エンジニアになる道は決して平坦ではないが、家族のためにもこの道を進む覚悟が一層強まった。

次回予告

次回、田中一郎は具体的な学習目標を立て、さらに深くプログラミングの世界へと足を踏み入れます。エンジニアとしての道を進むための新たなステップが描かれる次回もお楽しみに！