ふるさと納税 寄付集中の構図変化

# ふるさと納税寄付集中の構図変化

2023年度、全国のふるさと納税による寄付額は1兆円を超え、その中で宮崎県都城市が2年連続で寄付額日本一を達成しました。しかし都城市が迎えつつあるのは、寄付額の減少という新たな局面です。この背景には、都市部の自治体による寄付額の増加や、人気自治体への寄付が集中する傾向が変化していることが影響しています。

## 都城市の返礼品戦略とその変化

これまで都城市は、肉や焼酎など特化した返礼品戦略を展開し、寄付額が右肩上がりに増加してきました。この戦略が功を奏し、都城市は寄付額の一位を維持してきましたが、2023年度において初めて減少に転じたのです。特に都市部の自治体が本格参入を果たし、かつては地方自治体が優位に立っていた寄付集中の構図が変わりつつあります。

都市部の自治体が参加することで、寄付額の流出が続く構造が打破されつつあり、寄付金の獲得競争が新たな局面を迎えています。これにより、かつて都城など特定の自治体に寄付が集中する構図は崩れ、寄付先に選択肢が増え、より多様化しています。

## 総務省の制度見直し計画

また、総務省は2025年から、ポイント付与サイトを通じての寄付勧誘を禁止することを決定しています。この見直しは、ふるさと納税制度が本来の目的である地域振興や活性化のために寄与することを目指したものです。悪用されがちなポイント制度の廃止は、寄付の透明性を高め、自己の地域を支援したいと考える市民にとっても、寄付先選定の動機や機会を提供することにつながります。

## 寄付額増加の流れとその需要

こうした転換期を迎え、寄付額が増加した背景には、多くの要因があります。地方自治体の中には、工夫を凝らした返礼品を提供し、住民に対するPR活動を積極的に行っているところもあります。例えば、地元の特産品を用いた返礼品の開発や、その魅力を伝えるプロモーション活動の強化があります。これにより、他地域の住民にも自分たちの地域に寄付してほしいとの思いが広まりつつあるのです。

また、新型コロナウイルス感染症の影響により、地域振興に寄与したいと考える人々が増えていることも寄与しています。特に都市に住む人々は、地域の文化や特産品に対する興味や愛着が高まり、自分たちが暮らす地域ではなくても、寄付によって関わることを希望する人が多くなっています。

## まとめ

2023年度のふるさと納税では、寄付額の流れが新たな状況に変わりつつあります。寄付元が特定の自治体に集中する構図は、都市部の自治体のプラスアルファが寄付を呼び込み、変化をもたらしています。また、総務省の制度見直しにより、透明性を確保しつつ本来の目的に軌道を修正しつつあるふるさと納税制度は、今後どう進化していくのか、注視が必要です。地域振興を志向する市民の思いに応えるために、各自治体が奮闘し、寄付の選択肢がさらに広がることが期待されます。今年もまた、地域の特色と魅力が発揮されることを期待しています。

※この記事はyahooニュースを基に作成されております。
元の記事はこちら：https://news.yahoo.co.jp/pickup/6513789?source=rss